Vol.3 シルクvs昇華転写

  • シルクスクリーン
  • 昇華転写
2019年05月28日

こんばんは!
すっかり暑くなり初夏の気配を感じますが、朝晩は少し肌寒いですね・・・
朝の通勤時間は、自社でデザイン・制作したオリジナルのウィンドブレーカーで防寒対策をしています。
もちろんチームオーダーでお仕事の受注もしておりますので、詳しくはお問い合わせください!

さて今日は「シルクスクリーンvs昇華転写」という形で、両者のメリット・デメリットを比較していきましょう。
いよいよ世紀の一戦の幕開けです!

第1ラウンド「発色と仕上がり」

まずはだれもが見てわかる「発色」と、印刷の「仕上がり」について比較していきましょう。
商品の第一印象にもつながる重要なポイントです。

・シルクスクリーンの場合

【メリット】
シルクスクリーンの特徴は「豊富なインクの種類」。ラバー系インクは隠蔽性があり、生地色の濃淡に関わらずインク本来の発色を得ることが可能で、顔料系インクは記事に浸み込むため、やわらかい印象の仕上がりになります。

【デメリット】
隠蔽性のないインクを濃色の下地に利用してしまうと本来表現したい色にならなかったり、ラバー系インクは仕上がりに厚みがあるため、伸縮性のある生地で引っ張られるとヒビ割れてしまったりします。

 

・昇華転写の場合

【メリット】
インクジェットでフルカラープリントし、それを生地へ熱転写します。
フルカラーで、データ通りの色に限りなく近づけて印刷できるので、鮮やかな発色・写真のようにシャープな仕上がりになります。

【デメリット】
インクジェットプリントのため温度や湿度といった環境に左右されやすく、転写紙や生地の種類でも色が微妙に変化したり、転写ブレを起こしたりします。

第1ラウンド:ドロー
発色・仕上がりにはそれぞれの特徴があり、つくりたいものによってどちらが適切か、使い分けが必要になってきます。
デメリットはあるもののどちらもキレイに仕上がるので、「引き分け」とします。

第2ラウンド「応用力」

引き分けに終わった第1R、続いては「応用力」です。どちらの方がより多くの製品に対応できるかです。
(前回・前々回の記事を見てくださった方は、結果がわかるのではないでしょうか・・・?)

・シルクスクリーンの場合

用途によってインクを使い分けることで、さまざまな媒体に印刷することができます。
さらには、導電性や蛍光色など発色以外の効果も得られるので、応用力はバツグンです。

・昇華転写の場合

昇華転写は、ポリエステル生地に限られます。そのため、アパレル商品に使われることが多くなります。
商品企画のアイデアし次第で独創的なアイテムが生まれることもありますが、純粋な応用力としてはシルクスクリーンに劣ってしまいます。

第2ラウンド:勝者「シルクスクリーン」
やはり、「水と空気以外」に印刷できるという圧倒的なポテンシャルを持つシルクスクリーンは、他社を寄せ付けない強さがありますね。

第3ラウンド「デザインの再現性」

続いての対戦は、製品のアピールポイントの一つである「デザインの再現性」です。
一歩リードを許してしまった昇華転写は、王者シルクスクリーンに勝てるのでしょうか?

・シルクスクリーンの場合

【メリット】
スクリーン紗のメッシュ数を上げることにより、細かい柄もシャープでキレイな仕上がりにすることができます。
発色も良く繊細な表現が可能なことは、デザインの再現性において大きな強みです。

【デメリット】
デザインの大きさは、版のサイズによって限られます。また、Tシャツなどの既製品にプリントする場合、ステッチの凹凸を避けないとキレイな仕上がりにはなりません。
また、写真のような画質の高いものやグラデーションの表現は不得意です。網点で表現されるので、細部に滲みや潰れが発生し、滑らかなグラデーションにはなりにくいというデメリットも持っています。

・昇華転写の場合

データをそのままインクジェットで出力・転写をするので、写真やグラデーションといったものを気にせずに印刷できます。隠蔽性も関係がないので、どれだけ色を使っても鮮やかに仕上がります。
アパレルで利用する場合は、縫製前の型紙の状態で印刷すれば、つなぎ目でも柄を合わせた自由度の高いデザインになります。
デメリットとしては、デザインの段階で完成品のイメージが出来ていないと、仕上がったときに柄がずれてしまったり、昇華転写自体の特徴よりもオペレーションに左右されます。

第3ラウンド:勝者「昇華転写」
版のサイズやつなぎ目、色数、写真データ・グラデーションにとらわれることなく「自由にデザイン」できる昇華転写は、制限の多いシルクスクリーンでは成し得なかった新たな印刷の道を切り開きました。
デザイン力については、昇華転写に軍配があがります。

最終ラウンド「予算」

やはり制作側として最も気になるのは、「予算」ではないでしょうか。この最大の壁をクリアできなければ勝利は掴めない大一番。
果たして勝利の栄冠を手にするのはどちらでしょうか・・・!運命の最終ラウンド、スタートです!!

・シルクスクリーンの場合

【メリット】
色の数によって版を作成します。1版作っておけばその版で大量生産が可能になるので、制作するもののロットが多いほど商品単価が下がっていき、大量生産に向いています。

【デメリット】
1色ごとに版が必要で、色の数が多いほどその分金額が上がります。生産数によっては元がとれない危険性もでてきます。

・昇華転写の場合

【メリット】
昇華転写は、データがあれば印刷することができます。もし自社生産を検討するのであれば、設備なども当然必要にはなってきますが、外注で印刷する場合データ作成の手間だけでいいので、費用はシルクスクリーンより抑えることも可能です。

【デメリット】
データだけで済む代わりに、製品1つあたりの単価は下がりにくくなります。
大量生産をするよりも、「データさえ作ればいい」という強みを活かした「多品種小ロット」の製品に適しています。デザインをいくつ作っても、色数を増やしても、その費用はかからないからです。

最終ラウンド:ドロー

作りたい製品によって印刷方法が変わってきます。シルクスクリーンでしかできないもの、昇華転写の方がいいデザインのもの、さまざまです。
そのため、予算だけでどちらがいいという優劣はつけにくく、それぞれの強みを活かした商品企画・開発を進めることが予算を抑えて良い商品を作る一番のポイントなのかもしれません。

結果発表

第1ラウンド:ドロー
第2ラウンド:シルクスクリーン
第3ラウンド:昇華転写
最終ラウンド:ドロー

お互いに、1勝1敗2引き分けで、両者互角の手に汗握る熱い戦いが繰り広げられました。

メリット・デメリットを比較して見て来ましたが、上記でも書いたとおり、一概にどちらが優れている・劣っているとは決めにくいのです。それも、シルクスクリーン・昇華転写ともにそれぞれの良さがあり、制限もあるからです。
もし今悩んでいる方がいらっしゃいましたら、一度弊社へお問い合わせください。
その企画・製品はシルクスクリーンが最適なのか、はたまた昇華転写の方が費用を抑えることができるのか、ご提案をさせて頂きます
サンプルもご用意いたしますので、実際にものを見て、触れて、お客様ご自身でも両者の魅力を感じて頂ければと思います。

 

それでは、この世紀の一戦の実況は都スクリーンがお送りしました。
次回の更新でお会いしましょう!!


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